不斉合成
Asymmetric Synthesis
Asymmetric Synthesis
医薬,農薬,あるいは強誘電性液晶を始めとする機能性材料の研究,開発において,光学活性化合物の需要が今まで以上に高まりつつあります。目的とする光学活性化合物を有機合成反応によって得るためには,キラル補助剤,不斉触媒などを用いるジアステレオ区別反応,エナンチオ区別反応が利用されています。そして,より高い光学純度と収率を実現するため,キラル補助剤,不斉触媒の開発が盛んに行われており,多くの成功例が報告されています。例えばカンファーサルタム,オキサゾリジノン誘導体などがキラル補助剤として,BINAP-Rh錯体,オキサザボロリジン誘導体などが優れた不斉触媒として利用され,高い光学純度の生成物が収率良く得られています。
近年,山田らは,新規な光学活性コバルト(II)錯体触媒MPACを用いるプロキラルケトン,イミンの不斉還元法を開発しました1)。MPACを用いるこの方法は,ケトン,イミンの還元剤として従来から広く利用されている水素化ホウ素ナトリウムを用いて,温和な条件下で高い光学純度の第2級アルコール,アミンを高収率で得ることができます。そのため,有用な光学活性アルコール,アミンの入手法として大変注目されています。
文献
1) 山田 徹, 永田卓司, 大塚雄紀, 池野健人, 向山光昭, 有機合成化学協会誌, 2003, 61, 843; T. Yamada, T. Nagata, K. D. Sugi, K. Yorozu, T. Ikeno, Y. Ohtsuka, D. Miyazaki, T. Mukaiyama, Chem. Eur. J., 2003, 9, 4485 [DOI]; 山田 徹, ファインケミカル, 2010, 39(1), 13.
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